Pythonで脳MRIのDICOMデータから特定の信号強度の領域の体積を測定する方法はいくつかのステップに分けて行うことができます。以下に一般的なプロセスを説明します。
必要なライブラリ
pydicom
: DICOMファイルを読み込むためのライブラリ。numpy
: 数値計算を効率的に行うためのライブラリ。matplotlib
: 画像の可視化に使用。scipy
: 画像データの解析と処理に使う関数を提供。
ステップバイステップの手順
- DICOMデータの読み込み:
pydicom
を使用して、DICOMファイルを読み込みます。 - 画像データの抽出: DICOMオブジェクトから画像データを取り出し、必要に応じて配列形式に変換します。
- 閾値の設定: 特定の信号強度に基づいて画像から特定の領域を抽出します。このためには、閾値を設定してその値以上または以下のピクセルを選択します。
- ラベリング:
scipy.ndimage
モジュールのlabel
関数を使用して、連続する領域(blob)を識別します。 - 体積の計算: 選択された領域のピクセル数を数え、各ピクセルの体積をかけて全体の体積を計算します。ピクセルの体積は、ピクセルの寸法とスライスの厚さから算出します。
サンプルコード
import pydicom
import numpy as np
from scipy.ndimage import label
import matplotlib.pyplot as plt
# DICOMファイルの読み込み
dicom_file = 'path/to/your/dicom_file.dcm'
ds = pydicom.dcmread(dicom_file)
# 画像データをnumpy配列に変換
image = ds.pixel_array
# 閾値を設定して領域を選択
threshold = 100 # ここで閾値を設定
binary_image = image > threshold
# 領域のラベリング
labeled_image, num_features = label(binary_image)
# 領域の体積計算
voxel_volume = ds.PixelSpacing[0] * ds.PixelSpacing[1] * ds.SliceThickness
volume = np.sum(labeled_image > 0) * voxel_volume
print(f"Total volume: {volume} cubic mm")
# 結果の表示
plt.imshow(labeled_image, cmap='gray')
plt.show()
このコードは、指定された閾値以上の信号を持つ領域を抽出し、その体積を計算して表示します。必要に応じて閾値やその他のパラメータを調整してください。